”DAC8D SUPER を製作する”の巻き


<ようやく完成したDAC8D SUPER。パネルは極シンプルに>

作ろうと思ったきっかけは20BitのDACであるPCM63Pが入手でき、「このDACをつかって8パラ差動をつくってみたらゴージャスだろうな」、というのが単純な動機。
ただ、このPCM63Pというのは28P-DIPということでパッケージサイズが大きい。PCM61P(16P-DIP)くらいのサイズなら実装は簡単なんですけどね。どのように実装するかが、一つのポイントです。


<DIPパッケージのPCM63P-K。PCM61Pに比べて大きい!>

どういう形の基板がいいかな?

8パラ差動になると32個も並べることになります。
愛用のケース(タカチ電機のOS70-37-23SS)の幅が230mm、長さが370mm(実際使える寸法はもっと小さい)であることをかんがえると収納可能な基板サイズがおのずと決まってきます。
最大でも約20cm四方くらいでしょうか。もちろんPCM63Pを密に並べれば、この基板サイズでも十分におさまります。
DACに必要なパスコンや、フィルタコンデンサは基板の裏側に表面実装部品で取り付ければいいわけですから、とくに問題はありません。
でも、DACはDAC-ICだけでは動きません。DAI回路やIV,LPF回路も必要ですし、とてもこの基板寸法には収まりそうにありません。
今回は、LPFアンプにディスクリート回路をつかってみたいこともあり、どう考えても1枚の基板にALL-INというのは無理!
DAC1704-4DみたいにLR別構成の2段重ねだと、下側基板の調整も大変です。

ということで、実装密度が上げられるように、今回はマザーボードをつくって、その上に基板を垂直に立てて並べていく方法を採りました。
この方法を採れば、基板の入れ替えも簡単ですので、DAI回路やアナログ回路の変更、さらにはDAC回路の入れ替えも可能!
将来的な拡張に対応できそうだという思惑も働いてきます。
もっとも、さらに上の構成をどうするかは全然考えていませんが・・・・
やろうと思えばPCM1704の16パラ差動もできますが・・・・ううう、下品!というか、高すぎ


<マザーボード方式採用!ボードサイズは200mm×230mm>

マザーボードは?
 単純に電源回路と各種の基板が挿せるソケットがあれば十分なので、極めてシンプルな構成になるはずです。
また愛用のケースサイズにぎりぎりに併せて作ったのでサイズは200mm幅×230mm長さとDAC8Dに比べて少し大きめです。
搭載する電源部は
 (1)DAC用に左右独立の正負5V
 (2)アナログ回路用に左右独立正負15V
 (3)DAI回路用に5V
があれば十分でしょう。電流がもっとも多く流れるDAC用電源には少し大きめの放熱板を取り付けられるようにしました。
といっても、放熱板って形状がいろいろあるので、まずはこれを決めてやらないといけません。
というのもレギュレータの穴の部分と放熱板のフィンに部分が重なると穴があけづらくなります。
今回つかった放熱板は現品.comで有名な吉野電装さんから、通販で買った放熱板です。


<現品.comで買った放熱板。@400円と安価です。でも必要以上に長い>

この放熱板は、このままでは少々長いので切ってつかいます。
フィンの間隔は8mmですので、レギュレータのピッチは16mm間隔に設定しました。
レギュレータの取り付け穴はφ2.6mmで下穴をあけてM3タップでねじを切ります。
 放熱板の取り付けは1mmのプラ板(下敷きです)を挟んで瞬間接着剤で固定しています。
これは放熱板の取り付け部分に、パターンがやスルーホールがあるためです。
もちろんスルーホールはフィンとフィンの間に配置しています。
ただ、万が一スルーホールと放熱板の接触がおこったりすると、部品全体の損傷につながる可能性があります。
プラ板はいわゆる保険ですね。

<短く切った放熱板に穴をあけてレギュレータを取り付け。放熱板と基板の間の白いものプラ板>

レギュレータは普通の3端子レギュレータです。
アナログ部だけでもLM317などの可変型にしたかったのですが、スペース的に余裕がないのであきらめました。
 
ソケット群は壮観!
 基板を挿入するためのソケットは40Pのソケットを2連でつかいます。
2連とする理由は信号線の左右独立を考えているわけですが、もうひとつは、ある程度のピン数がないと基板がしっかり固定できないためです。
この40Pのソケットは秋月電子で売っている@65円のものですのでお財布にもやさしいです。
(基板側にはピンをつかいます)

<マザーボードの全景:これだけだと非常にスッキリ。 放熱板はインレットと干渉するので、少し短め>

 ソケットの数はDAI用に1個、DAC用に8個、アナログ用に1個です。
とくにアナログ回路についてはディスクリ基板の実装も必要になりますの、すこし周囲のスペースに余裕をもたせました。
また、アナログ出力にはミューティングリレーも搭載可能にしています。

内部構成はスッキリと


<できあがたDAC内部(まだカードは刺さっていない)>

電源トランスにはいつもの40WのRコアを2個つかっています。これで左右独立構成になります。
トランスと基板間が短いので、配線もスッキリします。
入出力は、シンプルに1系統のみです。ミューティング回路もありますが、マザーボードに載せることはできなかったので、これについては別基板でとりつけます。


<別基板に取り付けたMUTING回路。ケース内のスペースが少ないのでステーて立てて配置。この辺りはDAC1704-4Dと同じ>

カナレを使いたかった・・・・
コネクタについては、すこし奢ってカナレをつかってみようかと思いますが。
ちょっと奥行きが長いので、断念しました。

<秋月(左下)とカナレ(右上)のコネクタ。カナレを付ければ結構、高級に見えるのですが・・・・>

本当は、カナレを付けられないことはなかったのですが、このコネクタを付けるにはφ20mmの穴をあけないといけません。
手持ちにこのサイズがあけられるリーマが無かったのであきらめました。
ということで、いつもの秋月のコネクタです。これでも十分しっかりしています。

マザーボードに搭載する基板群について

1.DAI回路
(a)TYPE−A
 まずはいつも使っているTC9245(DAI)とPD00601(DF)をつかったものです。
とくに特徴点はないのですが、出力バッファーにはAC245をつかっています。
出力DATAは反転および非反転出力がだせるようになっています。
部品数の割りに基板が大きいので、リクロック回路などを乗せればよかったかもしれませんが・・・・
まあ、これはおいおい改造とかすれば面白いでしょう。
 このDAI回路に搭載したDFの機能からDACとしては16,18,20Bitの切り替えが可能です。
今回は20Bitに固定してしまいましたが、少々のパターン変更で変更可能です。
でも手持ちに部品も余っているので、18Bit用と20Bit用のDAIをそれぞれつくって置こうかな?

(2)TYPE−B
 これも定番の組み合わせだとは思いますが、DIR1703とDF1704(DF)をつかったものです。
DAIの入力にはSPDIF信号をTTLレベルへの変換器がいりますので74HCU04で構成しています。
同じく出力バッファーにはAC245をつかっています。
このDFの機能から16,18,20,24Bitの切り替えが可能ですのでジャンパで切り替えられるようにしました。
これも部品の割には基板が大きいですね。
どうせなら、DIP-ICもSOP(表面実装)にすれば、もっと基板スペースが有効につかえたわけですが・・・・
後々の改造を考えるとこの方がいいでしょう。

<上はTC9245を使ったDAI、下はDIR1703を使用。さて音の違いはあるのでしょうか?>

2.DAC回路
 1つの基板に4つのPCM63Pを搭載します。それぞれが左右正負出力を担当する1組です。
この基板を最大で8枚実装することになります。8枚実装すると8パラ差動になります。
もちろん、8枚すべて仕上げる必要はないので、1枚ずつ挿して音の変化をみていってもおもしろいかもしれません。
試聴時の問題は挿す枚数に応じて音量も変わるので、なかなか正確な判断も難しいかもしれません。
しかし、これを8枚挿すのはほとんど自己満足の世界ですね。


<DAC基板の裏と表。裏側にパスコン、フィルタCなどが並ぶ。電解コンデンサはすべてタンタルです>


<やっぱり”K”のマークがいいです>

<すべてのカードを挿すとこんな感じ。ちょっと、下品?>

 さて、このDAC基板の実装上の最大の制約はその厚さです。
基板の配置間隔は400MIL(10.16mm)ですので、この範囲に収めなければいけません。
PCM63Pの基板取り付け時の厚さは約4.5mmあります。基板の厚さが1.6mmありますから、残りは約4mmです。
コンデンサ類はすべて裏面に取り付けないといけないですから、余裕をみれば3mm以下の部品高さのものしか裏面に配置できません。
PCM63Pにはフィルタコンデンサに100uF程度がアプリケーションノートには書かれています。
ここでは47uF/10Vの表面実装部品を選定しました。大きさは6.2×3.2 mmで高さも2.5mmで問題ありません。
これより1ランク大きい部品でも大きさは7.3×4.3mmで、高さが2.8mmですので、大丈夫でしょう。


<DAC基板間のクリアランスは約1mm。立った抵抗が少し不細工?>

 ディジタル信号ライン用のダンピング抵抗は部品面にとりつけますが、高さがあまりないので1/6Wの小型のものをつかいました。
あとで、わかりましたがリード部品をまげて取り付けるのは結構面倒なのと、抵抗が立って取り付けられるすこし外観も悪くなります。
本来はこの部分も表面実装部品にしたらよかったかな、とすこし後悔しています。

3.アナログ回路
 この部分は一番バリエーションが高い部分です。今回は3種類の基板をつくって音の違いを楽しみたいと思っています。
(a)TYPE−A:すべてOPアンプ構成
 IV変換ならびにフィルタ部にOPアンプを使います。
極めてシンプルな構成です。回路構成はDAC8Dと同じになります(定数は若干ことなります)。
無調整で済みますので一番気楽につかえます。

<TYPE-A:IVとLPFにOPアンプを使用。少し面白みに欠ける?>

(b)TYPE−B:IVのみOPアンプ構成
IV変換にOPアンプを用い、そのあとの差動増幅兼LPFはディスクリオペアンプ基板をつかいます。
ディスクリオペアンプ基板は、基板背面にとりつけることになります。
ディスクリ基板の部品の高さに注意しないと、ケースの側面にあたってしまいますが、15mmくらいは大丈夫です。
 OPアンプはIV変換に用いられるので、できるだけ高速セットリングタイプのものを用います。
といってもOPA627などは高いので、最近ではOPA134をよく使っています。
これならば200円程度で手にはいります(もっとも秋葉原などの店頭価格では、結構な値段がしているようです)。

<TYPE-B:IVにOPアンプを使用。裏側にオペアンプ基板がのります>


<裏側の様子。ディスクリオペアンプ基板で音が変わるか!?>

(c)TYPE−C:パッシブIV+ディスクリアンプバッファー
IV変換はシンプルにRのみで受けます。PCM63Pは出力にダイオードクランプがありますので0.6V以上はでません。そのため、IV変換後には0.5V以下になるように抵抗値を選定します。8パラ構成だと最大電流は16mA(2mA×8パラ)になりますので、抵抗値は20〜30Ωの範囲で選定します。IVでえられる電圧は低いので、出力バッファーアンプには20dB程度のゲインを持たせました。

<TYPE-C:IVはRのみ。オペアンプを一切使わないことがメリットになるか!?>

あとは楽しみの試聴!!!

さて、役者はすべて揃いました。あとは試聴です。アナログ基板は3種、ディスクリ基板は5組、DAI基板も2枚あります。
マトリックスで聞くつもりはありませんが、この中から、好みの音が見つかればいいな!と思っています・・・・・(結果はまだまだ先?)
 でも、あまり難しく考えずに、しばらくは適当に音楽を楽しみたいと思います。
今は、完成した余韻に浸って、のんびりモードです。でも、もうしばらくDACは作りたくない!!!!!!


以外と大変だったこと。
1.半田付けが多すぎ!
 とにかく部品の数も多いし、ソケット・ピンの半田数が半端でない!
 恐らくDAC8Dの3倍程度の半田付け数になったんとちゃうかな?

2.放熱用の穴あけも大変!
 ポンチ→ホールソーでφ8穴あけ→タケノコドリルで表より穴開け→同タケノコドリルで裏から面取り
の手順ですが、孔が100以上あります。ボール盤のモータも途中で過過熱で、止まってしまいました!

<苦労した甲斐あって、以外と綺麗でしょ(自己満足!!)>


試聴の前にディスクリOPアンプ基板との相性チェック!
すでにアナログ回路はTYPE-C基板(パッシブIVとディスクリA1)の組み合わせで音楽を楽しんでいます。
他の基板も問題なく動くのか(変な発振とかなないかを)確認してみました。

アナログ回路はTYPE−Cを用いた場合(パッシブIV)
 
A1基板:問題なし f=4kHz、1V/div             A3基板:問題なし f=4kHz、1V/div 

 
A4基板:問題なし f=4kHz、1V/div                A6基板:問題なし f=4kHz、1V/div 

A1,3,4,6は問題無いようです。ところがA2は発振しています。

 
A2基板:発振有り f=4kHz、1V/div             A2基板:入力無し。 0.2V/div、50nS/div

ディジタル入力信号無しの場合の観測結果から、約7MHzくらいの発振をしています。フィルタ回路との相性が悪いのでしょうか。
それとも位相補償C(100pF)の容量不足? すこし原因を探らないといけませんが、ぼちぼち進めましょう。

とりあえず、今日からはA6基板に差し替えてみました。んんん 音の透明度がいい感じ!!!!!


A2基板の発振対策

まずは位相補償Cをもともと付いていた100pFに1000pFを付け足してみましたが、完全には発振が取りきれず。
そのため、R8,9にパラに6800pFのコンデンサをつける鼻薬と合わせて発振をとめました。
位相補償Cの容量が大きいので20kHzで-2dBの周波数特性になりましたが、たぶんわからないでしょう・・・
というか聞こえない?(笑)。

<発振がとれたA2基板の波形:f=4kHz、1V/div


ところで製作費はいくらかかったんだろう?

 計算するのも恐ろしいものがあるのですが、エクセルでつくった部品表に部品単価(うろ覚えというより適当)を入れてみました。
算出した範囲はディスクリオペアンプ基板をのぞくすべて(基板、部品、ケースやトランス、ピンジャック等々)で、でできた金額はなんと
約77,000円! いやいや、高くつくものです。  といっても、私の場合はほとんどは一般工業品をつかうので、逆にこの値段で
収まったのかもしれません(ASCやDALEなんかつかったらどうなるんだろう?)

ちなみに、何が高いかといえばやはりコンデンサです。
そのなかでもDACにつかう表面実装のタンタルコンデンサの47uFのものは@53円で、160個つかいますからこれだけでも
8500円程度かかります。

でも、上記の値段には交通費や通販送料なんかは全然はいっていないので、それらをも含めたらさらに結構な値段になりそうです。

本当に恐ろしいのは、表面実装コンデンサについても160個しかつかっていないのですが、実際には500個のリールで買っています。
基板価格についても、適当に計算してます。試作価格をそのまま入れたら・・・・・・

やっぱり本当の費用を出すのは怖いのでやめとこ(汗)。


400円 vs 1871円

DAC8D SUPER用のDAIは2種類ありますが、もっとも大きな違いはディジタルフィルタです。
1つは秋月電子で売っているPD00601と、もう一つは高性能なBBのDF1704です。この2者について、比較してみましょう。
スペック上の性能だけでみれば、DF1704の圧勝です。
どちらもFIRフィルタだと思われますが、DF1704の方が遙かに高い実数(高タップ)で計算していると思われます。


<ディジタルフィルタのスペック勝負

デバイス名  PD00601   DF1704
メーカ パイオニアプレシジョン バーブラウン
値段 400円(秋月電子) 1871円(DigiKEY)   
パッケージ 16PIN-SOP 28PIN-SSOP
外観
阻止帯域減衰量 -53dB -115dB
通過帯域リップル +-0.023dB +-0.00005dB
乗算器 16×13→24bit
演算次数 FIR3段
65次+13次+9次
備考 - 音量調整等の多彩な機能有り
その他 廃品種 現行品

波形の違いもみて見ましょう。正弦波では違いがわからないので、インパルスと矩形波でみてみます。
DF1704の方が次数が高いためか、リンギングも大きいようです。インパルスでのリンギングの波の個数が違います。
PD00601は数値的な性能は低いのだけれと、 なかなか音がいいと言われています。
性能の低さゆえ、デジタルフィルタ臭さがあまり出ないところが、幸いしているのかもしれません。

<ディジタルフィルタの波形勝負

PD00601 DF1704
インパルス
(1102.5Hz間隔)
矩形波
(1102.5Hz)


さて、これらの波形の違いもどのように聞こえるでしょうか・・・(過去に判らなかった経験もあるのだけど・・・)


AC245ではだめかな?
 DIR1703/DF1704をつかったDAI TYPE-Bでは、左チャンネルからノイズがでることがわかりました。
で、バッファーのAC245を、とりあえずLS245に取り替えるとノイズは収まりました。
おそらくAC245のドライブが強くて変な反射とか起こっているようです。
現在は各DACに22Ωのダンピング抵抗をつけていますが、AC245を使用した場合はこの値では小さすぎるのかもしれません(100〜200Ωくらいが必要かな?)。あるいは出力バッファーをHC245に変更すべきかもしれません。もうすこしチェックが必要です。

その後のチェックでDAIボード側にダンピング抵抗を入れれば問題ないことがわかりました。
いままでDAC-ICの入力容量を気にして、DAC側にダンピングRをいれました。
しかし配線長が長いのでこのL成分による影響を排除するために、根本側(DAI側)でのダンピング抵抗が必須のようです。
DAC8Dと同じく51Ω程度の抵抗を入れればOKです。
ひょっとして、DAI側のダンピング抵抗を入れればDAC側は不要なんだろうか・・・・?試すの大変だから、そのままにしておこう・・・・


ブラインドテスト!

ディスクリOPアンプ基板とはどれが相性がいいかをチェックすべくテストを行いました。
IV&LPF基板はTYPE-CのパッシブIVのもので、一番素直にディスクリOPアンプ基板の特性がでると思います。
肝心なのは、基板をみてしまうと、どの基板(A1〜6)かがすぐに判ってしまうので、見てもわからないように工夫しました。
各基板に目隠しの基板を最初に取り付けてしまいます。これで、よほど意識的に基板を見ないかぎり、どれがどれかわかりません。

<目隠し基板をスペーサを介して取り付け、あたらにA〜Eの記号をふりあて。どれがどれかわかりません>

今回の試聴に用いたCDはこれ。ミミタコのものです。


で、試聴し感想をメモしたあとに、どれがどの基板かを調べていきます。結構ドキドキします。
結果は次の通り。

基板名 回路特徴 音の印象
A1基板 2段差動増幅の標準回路 元気いっぱいの音で、それでいて音の広がり(空気感)有る。
低音もよくでる感じである。ベルの音もカチっとした感じで出ており、
すがすがしさも感じる。ラフマニノフとはすこし相性が合わないかもしれない。
A2基板 対称回路の高速動作回路 スカット通る高音が印象的で綺麗。分解能もよい。やや固めの音かもしれない。
するどいアタックがある。
A3基板 フォールディッドカスコード 分解能はよい。すこし低音が弱い感じがある。繊細な感じもすれば、
やや粗い感じもうける独特な感じが特徴かもしれない。
A4基板 FET-4パラ入力 元気があり野太い感じもする。なんとなく、 ベルの音がきつくも聞こえるが、全体的には
明るい音調ではないだろうか。ダイナミックさがある。
A6基板 電流帰還の超高速回路 野太さがある。カチっとしたベルの音が好印象で分解能よし。と思えば、音にやさしさもある。
わりと好きかもしれない。


どれが一番かというのを選ぶのは極めて難しい。どれも捨てがたい・・・・・と優柔不断。

リクエストもありこんなものを描いてみました。
超散財モードです。



できあがった基板です。


早速組み立てましょう。PCM1704をまず半田付けします。
パターンをよく見てもらったらわかりますが、20Bitモードで動かすためのPin9からのジャンパー用のランドをつけています。
PCM63Pと同様に20BITで動作させるには、ここを-5Vに接続します。もちろん-5Vのランドも有ります。


PCM1704が取り付いたらその周辺の抵抗、コンデンサを半田付けします。
おおきなタンタルは現品.comで格安で売っていたものです。このサイズでも実装可能です。
よくみると半田付けを忘れているところがありますね・・・・・

部品表はこんな感じです。

IC1〜4 PCM1704 4個
R1〜R12 51Ωくらい 12個 2012サイズ
Cp 0.1uF チップセラミック 16個 2012サイズ
Cb 3.3uF/10V チップタンタル 16個 3528サイズのランド
C1〜C20 47uF/10〜16V チップタンタル 20個 6032サイズのランド


 ピンを取り付けて完成!これ1枚で12000円くらいでしょうか。高っか!


 裏面はベター一面ですっきり!

PCM1704カードを動かしてみよう。


24Bitモードで動かすにはDAI-TYPE Bカードをつかいます。ジャンパー設定は24Bitではマニュアルのとおり
a=SHORT b=SHORT にします。bはデフォルトでSHORTになっているので、aを追加でショートさせます。


そうしたらPCM63Pのカードをすべて取り払ってPCM1704カードをさします。1枚だけなので少し寂しいですね。


動作確認!
DAC8DにWave Generatorで信号を入れて動作することを確認しました。
いまは1枚だけですが、電気的な特性もPCM63Pとさほど変わらないでしょうから8枚でも問題ないででしょう。


さてさてどうするものか?

DAC8D SUPERのPCM1704化が可能なことはわかりました。すでにPCM1704を8パラ分購入していますが組み立てようかどうしようか思案中。
理由は
・PCM1704を使ったDACはすでにDAC1704-4Dがあるしキャラがかぶるかもしれない。
・あまったPCM63Pのカードが可愛そう。
といった感じです。まだしばらく悩みそうです。

やっぱりつくっちゃえ!

据え膳食わぬはなんとやら(ちょっと意味がちがう?)で作ることにしました。


製作をどんどん進めます。まずは4枚(でも結構つかれます)


8枚できて実装完了。結構隙間が多いので風通しがよさそうです。

音だしをしてみよう!

(つづく)