電子ボリューム(その3)

色々と検討をすすめてみましょう。

1.リレーの選択
 沢山つかうことですから出来るだけ安いものを探してみましょう。先週(9/2)にディジットに行ったときに色々と物色してきましたが、
ちょっと適当なものが見あたりませんでした。あそこのリレーは50円が基本(ほんと?)ですが、ちょっといいな〜と思うとすぐに150円くらいしたりします。
まあ、それでも随分安いといえば安いのですが・・・・ということで、いつもの現品.comさんで安くてマッチしそうなもの(A4.5W-K)がありましたので購入!
値段も50円です・・・・・・、と今日見てみたら150円になってました!(なぜ?)。

A4.5W-Kと同シリーズのリレー

型番がA4.5W-Kとありますが、TAKAMISAWA製であることがわかっているのでネットで調べると資料が有りました。
なぜか富士通のHPにつながっていましたが、系列なのかな?
まあ、それはさておきコイルの仕様をみてみるとこんな感じです。



コイル抵抗は145Ωですから動作時の電圧は30mA(5V)と低めですね。
知りたかったのは動作速度ですが、消費電力が140mWとなると下図からみてみると、
ON速度、OFF速度とも最大で3mS程度のようです。バウンス時間を含めて5mSを見ておけばいいでしょう。

A4.5W-Kの動作速度

ボリュームにつかう場合は、ロータリースイッチと同様にMake before Break が基本です(できるだスムーズにつなげるため)から、

@次のリレーがONする(安定するまで5mS)
A前のリレーをOFFする(完全に切れるまで5mS)

@+Aの合計10mSが1サイクルタイムになります。
ここで140ステップの電子ボリュームを考えると、最小から最大まで突っ走って切り替えても1.4秒もかかることになります。
ボリュームは実用域として最大まで回さなくとも結構早い速度で所定の位置まで回しますから、ボリューム出力をAD変換してリレーを制御すると
設定値が歯抜けになるのは避けられそうにないですね。まあ、これは諦めましょう。それにあまり早く回すと、リレーの不安定な状態の割合が増えるので
(ブチブチといった)ノイズが結構でそうです。

それにしても、もっと安い(やっぱ@50円)リレーはディジットにいったときにでももう一回探してみましょう。

2.リレーはOnでコンタクト?OFFでコンタクト?
これは結構悩みます。
リレーが制御するマイコンが動いている間は気にする必要はありませんが、電源投入時あるいは切断時のマイコンが非動作のときは要注意です。
Reviewのため、電子ボリュームのコア部を下図に示します。

電子ボリュームの心臓部!リレーと抵抗素子

リレーが通電ONでコンタクトするように設定した場合。
まずはMUTE用のリレーを無視して考えてみましょう。電源投入直後はすべてのリレー接点はOFFですからアッテネータでの減衰量は0dB!
すなわち素通りです。これは危険です。電源投入時に爆音が出かねません。爆音は大袈裟にしてもポップノイズは避けられないでしょう。
電源OFF時も同様です。とくにリレーは定格の約70%の電圧になると切れます。またリレー自体の消費電力が結構大きいのでコンデンサのチャージは
簡単に消費してしまって、とても素早く切れてしまいます。そうなるとアンプがコンデンサの残容量でまだまだ動いていますから、こんどこそ爆音が出てしまいます。

ではMUTE用のリレーが入っていると安心かというとそうでもなさそうです。
というのも、電源ON時は遅延回路でMUTEを後から立ち上げることはできますが、OFF時が問題です。
MUTE回路用のリレーが他のリレーより早く動作する(切れる)ための工夫が必要になります。
一番いいのはマイコンで電圧を監視して、僅かにでも電圧が下がればMUTEリレーをOFFにすればいいでしょう。
そうすれば、その他リレーはコンデンサのチャージ分で僅かに遅れてOFFになります。
このような工夫をしなければ、たとえ1mSでもMUTEリレーが遅れてOFFになるとようだと「ブチ」というノイズが出てしまうでしょう。

リレーが通電OFFでコンタクトするように設定した場合。
 この場合、電源OFFの状態では最大の減衰量になります。電源ONの過渡時はMUTE機能が効きますから勿論大丈夫ですし、
電源OFF時も電源が切れる直前の状態よりも音量が上がることはありません。
すなわちリレーが非動作になって接点がつながると常に音量が小さくなる方向に動くためだからです。
この状態にすることはボリュームとして安心して使えます。
 問題は大半のリレーが常にON状態になることから消費電流が増えてしまいます。1個30mAとしても15個がONしたままだと450mAですから、
電源をしっかりしたものにしなければなりません。これが課題といえば課題になります。

 いずれにしてもマイコンの出力ポートにつなぐわけですから、電源ON時のマイコンがポートを初期化するまでの間に、
リレーがON状態になるのかOFF状態になるのかをきちんと把握しておかなければなりません。
いづれにしてもリレーは通電OFF時でコンタクトとしたほうが無難そうです。

3.マイコンの選択
 これは最初から選択肢が限られそうです。
 まず私が使えるマイコン、というよりつかったことのある制御用のマイコンは

 H8+C言語 (これは何度かつかったことがある)→ちょっとオーバスペックだし高い!
 Z80+C言語(これも何度かつかったことがあるが・・・) →古いし手にはいりにくい!
 PIC+アセンブラ(2度ほどつかいましたが・・・) → 安くていいんだが・・・・アセンブラは忘れました
 PIC-BASIC(お勉強DACやDDSコントローラでつかった) → 遅いけどとにかく簡単!でもちょっと高い。


 といったところです。やっぱりPIC−BASICでしょうか。PICやAVRあたりが自由につかえるとうれしいな〜。

  
H8マイコン。これは勿体ない             Z80コアのCPU(まだ生産してるのかな?)   

    
   かなり昔のPICですがかなり高機能          お手軽極楽PIC−BASIC

(つづく)